その3:(100点)太田光の「しごとのはなし」を情熱的に感想・評価・レビュー。向田邦子と太宰治の話。

投稿日: カテゴリー: Blog(ブログ), Essay(エッセイ), MembersOnly(会員限定), Radio(ラジオ), Self‐development(自己啓発), 太宰治, 太田光

どうもこんにちは、SenKuSya代表のKotaです。

今回も前回に引き続き、太田光の「しごとのはなし」という本について、印象に残った部分と、それに対する僕の意見を交えて紹介していきたいと思います。
今回を含めてあと二回ほどで終わる予定ですので、そこまでお付き合いください。
まだその1、その2をご覧になっていない方は、そちらから是非読んでいただければと思います。

その1:(100点)太田光の「しごとのはなし」を情熱的に感想・評価・レビュー。太田光...
太田光というと、テレビでの、お馬鹿なことばかりしている、というイメージを持っている方が多いかと思いますが、ラジオなどを聞くとわかりますが、数多くの本を読み、...
その2:(100点)太田光の「しごとのはなし」を情熱的に感想・評価・レビュー。無駄な...
僕にとってのティータイムは三度ある。一度目は、高校三年生の時だった。学校の授業すべてが無駄なもののように思えてきて、自分が尊敬できない先生から学ぶことなんて...


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「しごとのはなし」について

情報誌「ぴあ」で約2年間連載した「しごとのはなし」が1冊の本になりました。
「プロとアマのはなし」「お金のはなし」「不景気のはなし」「ヒットのはなし」……
自らの“しごと”にまつわる35のテーマをもとに、太田光独自の目線でたっぷり語り下ろし!
仕事とは? 世間とは? 個性とは? 表現とは? 人間とは?
日々悩んでいるあなた、人生に迷っているあなた、自分を変えたいあなたへお贈りする、目からウロコの生きるヒントがここにあります。


向田邦子と太宰治について

俺の憧れる天才で、幸せを肯定しながらものづくりを続けたのが向田邦子だ。
向田さんは、小説、エッセイ、脚本などの作品群を残しているけど、それらすべてが素晴らしい。
向田さんの私生活での恋愛は、決して普通のものではなかったんだけど、それに対して言い訳することも弱音を吐くこともなく、全部を隠す。
全部隠した上で、エッセイには人生が楽しくて仕方がないとさえ感じられる内容を綴ったりする。
そんな向田邦子の「芸の強さ」に俺は憧れる。
ただね、「書いてあるモノ全部が凄いってどういうことだよ!」と思って俺なりに分析をして気付いたのは、向田さんがテレビの脚本を書いていたのが大きいということ。
彼女ほどの人ならば、一般常識から離れてグワーッと高みに登っていくことも出来ただろうに、テレビというメディアの仕事を続けたからこそ、大衆と同じ目線で居続けられたんじゃないかと思う。
最終的に奇人と呼ばれる天才よりも、向田邦子という天才に憧れる理由がそこにある。
で、太宰治。もうね。「青いなぁ!」と思った。
それは、いい悪いじゃなくて太宰治作品の特徴でもあって、要は、全部が独りよがりなわけ。辛いだの何だの全部が自分。
もちろん、太宰も天才だけど、向田作品と読み比べた時に「なんて向田邦子はカッコイイんだろう!」というのが、正直な俺の感想だった。


僕は、向田邦子が書いた作品も、太宰治の書いた作品も読んだことがあります。
向田邦子は「思い出トランプ」という一番有名っぽい作品だけ読んだことがあります。
太宰治は、「人間失格」「斜陽」「晩年」「御伽草紙」「ろまん灯籠」「グッドバイ」など、そこそこは読んできたつもりです。

それで、僕が考える向田邦子と太宰治の印象を述べます。
まず、向田邦子は、ドロドロとした文章を書くんだなと思いました。

僕が読んだ「思い出トランプ」という作品は、短編集です。13個の短編が入っているので、トランプ、という題名をつけているそうです。
この作品しか読んでいないので、向田邦子の全てを知っているわけではないんですが、少なくともこの作品においては、最初から最後までずっと、曇天の空で物語が展開されている様な、うすら暗い印象を受けました。明るい話など一つもありませんでした。
そのうすら暗い要因は何かというと、全てそこに描かれている人なんです。
人のゾッとする一面を集めた様なそんな感じの作品でした。
この作品については、ここでは全てを語りきれないので、いずれ感想をしっかり書こうと思っています。

だから、僕は太田光の様に、「人生が楽しくて仕方がない」という印象は受けませんでした。むしろ、ジメジメした陰鬱なものを書く人という印象があります。
人間の弱さやずるさ、卑しさに焦点を当てて文章を書く人なのだと思っているので、今のところは太田光の考えとは正反対です。
まあ、向田邦子に対する感想は、もっと他の作品も読んでから、しっかりと自分の中で判断したいと思っています。

そして、太宰治。これもまた、僕の印象は、太田光のものとは違います。
確かに、太宰の描く作品に出てくる人物は、まともな人間はいなくて、辛かったり苦しかったりする思いを、独りよがりで考えていて、周りから見ればクズ人間みたいなことが多くて、太田光の言っていることは合っています。
だけど、それこそが僕は太宰治の良さだと思っています。

僕は、職場も住む場所も結構高い頻度で変えています。それは、全部踏み台にしてでも、次のステージへ進んでいきたいという、成長欲からくるもので、わずかな時間だったとしても停滞していたくないと思っているからです。
住む場所はいつもシェアハウスを利用していることもあって、色んな人たちと出会い別れを繰り返しています。
その出会い別れの度にいつも「人間は結局一人で生きているんだよな」と思います。

瞬間で切り取れば、自分には今でも沢山の人が絡んでいますが、一年とか五年とか十年とか長期で見ると、家族以外でよく接する人というのは、かなり少ないんじゃないかと思います。
そうすると、自分がどう生きていくかとかいう長期的な問題はもちろん、自分の目の前の些細な悩みでも、結局自分で解決しなければならないと思う様になるわけです。自分のことを自分以上に考えられる人などいないから。そう考える自分にとっては、悩みながらも、迷いながらも、独りよがりだとしても、拠り所を自分一人にして生きている太宰治はかっこいいなと思います。

太宰治の自分自身に対する焦点の当て方は、それこそ天才じみていて、僕自身、自分でも言語化できていなかった感情を、太宰治の作品を読んで思い知ることも良くあります。
まあしかし、太宰治は青春の文学だ、とよく言われているのも事実です。
今の僕にとっては、非常にためになる教科書なんですが、この思いは歳をとって、色々なしがらみが増えたり、守らなければならないものが増えたりすれば、変わってしまうものなのか、太宰治の様な、無責任に風の吹くまま気の向くまま、生きることなんて出来はしない、と思う様になるのか、これは僕にとっては非常に興味深い命題です。


映画と小説の違い

別の機会に同じ質問をされたら、違う映画の名シーンを答えられるほど、俺にとって素晴らしい映画の記憶は数多く存在する。
これが小説の中の名場面となると、なかなか難しい。
小説の場合、名場面というよりも作品全体を通しての印象が記憶に残るからだ。
そんな俺は、10年ぐらい前から読書の後に必ずやっている習慣がある。
「読後の感想」と「お気に入りの箇所の抜き出し」という2つのファイルを分けて、日記のように書き綴ってきたのだ。
ちなみに、読書以外のファイルも合って、アイディアや日々の生活で感じたことも書き残すようにしている。


この箇所を読んで、なるほどと思い、自分も同じく、感想をまとめたり、抜き出しをまとめたり、みたいなことをやっていました。
それがこのブログの原型です。
せっかく自分でまとめたのなら、ぜひ誰かに読んでもらいたい、もしかしたら、それが誰かに何かしらの影響を与えられるかもしれない。
今も当初と変わらず、そういう思いで、このブログを続けています。

また、ここで語られている映画と小説の違いですが、確かに映画の方が映像があるぶん、名シーンは記憶に残りやすいですが、僕の場合はそれは小説にもあります。
強烈に残っているのは、このブログでも以前紹介しましたが、太宰治の「道化の華」で書かれていた、「僕はなぜ小説を書くのだろう。『復習』」という言葉です。頭にガツンと響きました。

また反対に、映画でも作品全体を通してのメッセージ性を考えることもよくあります。
アクション系の映画や、映像自体を種としている映画では、ほとんどありませんが、このブログでも以前紹介した「桐島部活やめるってよ」なんかは、それこそメッセージ性の塊です。
この作品は哲学的な内容を取り上げていて、深く入り込めば入り込むほど、監督の意図やメッセージを感じられて、非常に面白い作品だったと思います。
まあだから、映画も小説もジャンルによると僕は思っています。
そして、どちらも、人生を変えてしまうほどの可能性を秘めていると思っています。


今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
次でこの本に関してはラストですので、続きを楽しみにしててください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
記事の更新情報が知りたい方は、是非僕のTwitterやFacebookをフォローしてみて下さい。
それでは、また明日。


本文中に出てきた作品


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